統合失調症なう

世の中から統合失調症への偏見をなくそう!

自律神経失調症になった頃

 話が前後してしまい、申し訳ないのですが、私が現在もメンタル疾患にかかっているのは、最初に自律神経を病んでしまったのがトリガー(引き金)だったと思っています。自律神経とはごく簡単に言えば、自分の意思とは関係なく働いている神経(交感神経と副交感神経からなる神経)の事です。たとえば、心臓の動きとか呼吸は、心の中で「止まれ!」と叫んでも、基本的に死ぬまでは止まりませんよね?そういう自動的に働いてくれているような神経が自律神経で、それはとても重要なものです。

 

 きっかけは、中学生の頃流行していたあるドラマを観たことでした。若気の至りとでもいうか、単純にベッドシーンが観たくて、私は自分の部屋でこっそりとテレビをつけました。すると、主演女優さんが男優さんにレイプされるシーンが映っていました。それがあまりにもリアルで(二人とも演技が上手だったのでしょうね)、私の心臓はドキドキ、バクバクしっぱなしになってしまいました。困ったことに、次の日になっても、その次の日になっても、ずっと私の鼓動は止まりませんでした(ナイーヴだったんです)。そのうち私は具合が悪くなってしまいました。

 

 エロ本もエロビデオも見たことがない中学生に、レイプシーンはだいぶハードルが高かったのだと思います。登山の初心者がいきなり世界最高峰の山によじ登ろうとしたようなものでしょうか。タラレバですが、もしも私の体が自慰行為をこの時覚えていたのなら、私はもしかしたら今頃メンタルを病んでいなかったのかもしれません(後ほど勝手に覚えたわけですが笑)。

 

 それから1年少しぐらい、具合の悪い日々が続き、精神的にも参ってきました。不安な気持ちになることも少なくありませんでした。TVのCMなどでドラマや映画のベッドシーンの一部でも流れようものなら、お腹が痛みました。少し脈が落ち着いてきたと思うと、あの映像がくっきりと目に浮かび、また脈が速くなるということが続きました。世間的にいうトラウマになってしまったのだと思います。

 

 このようにして、私は自律神経のバランスを崩してしまったのです。それから、心療内科に通いはじめましたが、先生は「だいぶ参っているようだね」といい、デパスという精神安定剤を処方しました。臨床心理士にカウンセリングも受けましたが、思春期の私は性的な話をするのが恥ずかしく、先に述べたような事情を話すことが出来ませんでした。

 

 また、あるゲームの音楽が頭から離れないという症状も経験しました。こちらも、だいぶ神経を衰弱させました。毎日毎日その曲が頭の中を流れました。

 

 自律神経失調症は、実はまだ完全には克服出来ていません。もちろん症状はほぼ無くなっています。かつてのように、ポルノを見ても鼓動がとまらない、お腹が痛くなるといったことはありません。音楽が頭の中を離れないということも克服しました。ただ、疲れた日の夕方ぐらいから、筋緊張性頭痛という症状があります。頭の周りをぐるりと一周しばられたような違和感があるのです。こういうときは、さっさと安定剤を飲んで早めに寝るようにしています。すると次の日には大抵ケロっと治っています。

 

 この自律神経失調症を始まりとして、様々な病気にかかっては、何とか対処してきました。これから少しの間、私がどのようにしてそれらを乗り切ってきたのか、少しでもアドバイスになるようなことを書いていきたいと思います。まずは過敏性腸症候群パニック障害についてですが、次稿に!

入院(2)

 (1)のような経緯もあり、私の入院生活は始まりました。私の場合、入院期間はちょうど1カ月ぐらいでした。その間にいろいろな事がありました。

 

 まず、驚いたのは、老若男女、入院患者さんたちの食べる速度のはやいことです(笑私は特に食べるのが早くも遅くもないという自覚があったのですが、常にビリでしたwいつも食堂に置いてけぼりになったものです。いま思うと、食欲が増進されるお薬を飲んでいる方が多かったのかもしれません。看護師さんは「ゆっくり食べていいよ」とおっしゃってくれていましたが、正直焦ってましたw

 

 次に驚いたのが、ケータイが使えないということでした。入院時に、おそらく自殺防止の目的で、金目のものをはじめ、自傷の原因となるようなものは全て没収でした。まさかケータイまで、ということは驚きでした(ちなみに、私の入院した病院では、今はケータイ、スマホOKになったようです)。

 

 ケータイが使えない、ということで、まあ退屈な日々でした。誰かに電話することは出来るのですが、いかんせん公衆電話なので、友人のケータイ番号を暗記しているわけでもなく、電話するといっても実家ぐらいです。それでも私は暇すぎて(あれほど時間が長く感じたのは、子供の頃以来でした)、何度か実家に電話しました。久しぶりにテレホンカードを使いました(笑)

 

 症状がおさまるにつれて、院内外出(といってもロー〇ンぐらいしか行く所もありませんでしたがw)、院外での宿泊(外泊)が許可されました。私の場合、実家に帰って通算で2泊ぐらいした記憶があります。

 

 病棟には色々な人がいました。一言も言葉を発しない人、一日中歩いている人、認知症の人、一晩に6錠睡眠薬を飲まないと眠れないんだと打ち明けてくれた人、一緒に将棋を指す仲になった人、私にロー〇ンで女性週刊誌を買ってきてほしいと頼んでくれた女性の患者さん(あとで看護師さんにバレて一緒に怒られたw)などなど。

 

 正直、もう一度あの閉鎖病棟に入りたいとは思いません。ですが、幾つかの出会いもあり、良い社会経験になったと思います。これから入院をするかもしれないという人も、尻込みしなくても大丈夫です。確かに、変な人もいますし、居心地の良い場所ではないです。でも、閉鎖病棟は世間で思われているほどひどい所ではなかったです。先生や臨床心理士さん、看護師さんなど、スタッフの方々はとても優しかったです。眠れない夜は看護師さんが「もう一錠睡眠薬飲んでもいいよ」と言ってくれました。

 

 また、個室にしてもらえれば、毎日好きな本でも読むチャンスと捉えることも出来ますし、個室でなければ色々な人と情報交換ができるとも言えます。物事はとらえ方次第です。それと、今となって思うのは、あの頃の自分には休息が必要だったのだということです。

 

 そんなこんなで、私の入院生活は終わりました。閉鎖病棟を出られる日は嬉しくてたまりませんでした。それ以来およそ10年が経ちますが、今のところ私があの場所へ戻ったことは一度もありません。これからも入院することが無いのが一番ですが、もし入院することになっても、以前ほど戸惑うことはないでしょう。タバコが吸えないのが辛いところですがね(中には隠れてタバコ吸っている強者もいますが笑)。

 

 精神病棟に統合失調症で入院、と聞くと、大変なことだ!と過剰に反応してしまう人たちも少なくないと思います。しかし、統合失調症の回復過程で入院することは何も珍しい事ではありません。昔、精神分裂病と呼ばれていたころとは違って、一生を病院で過ごすということはほぼ無いといって良いのではないでしょうか? それほどに今は治療法が進歩しているのだそうです。患者の方、ご家族の方、雇用主の方には、その辺の所、ご理解いただければと思います。何も特別なことではないのです。

 

 

 

入院(1)

 入院は、一般的にいって、患者本人にとっても、家族にとっても、辛い事です。

 

 ですが、ある時期の患者にとっては、入院はその後の回復のために重要です。

 

 私は当初、「急性混乱」と医師に告げられ、入院することになりました。この時はまだ統合失調症だという診断は確定していませんでした。文字通り、頭の中がただただ混乱し、「怖いよー、怖いよー」などと、妄想にうなされ、連呼していました。

 

 ここが重要なのだと思うのですが、最初の症状が強く出た人のほうが、後々は回復具合が良いというデータがあるということです。実際私もとても辛く、もう私の人生終わった、などと思っていたのですが、それは心配が過ぎる!と後になってから気づきました。色々な症状の方、いらっしゃると思いますが、症状が重いからといって、絶望しないで欲しいと思います。

 

 一晩目の夜、私はまったく眠れませんでした。血圧もかなり高く、心拍数もかなり多かったと記憶しています。「この注射、強いお薬なんですか?」と聞く母に、看護師さんは「はい、相当強いです。朝までぐっすりだと思いますよ!」と返しましたが、私は明け方になっても眠れず、トイレ(おしっこ)にも20回以上行きました。これには看護師さんも「嘘だろ!?」とおっしゃっていました。今になると笑い話ですがww

 

~続く

 

タバコが手放せない!?

 統合失調症の患者には、ヘビースモーカーの人が多いです。かくいう私もそうで、一日に最低でも一箱は吸ってしまいます。統合失調症患者の8割前後がスモーカーだという話も聞いたことがあります(うろ覚えですみません)。

 

 私が勉強した限りですが、これには大きく二つの理由があるようです。以下に簡単に示しますと、

 

 1.症状が少し楽になる

 

 2.抗精神病薬代謝を促す

 

ということになります。

 

 1に関していえば、私もタバコを吸っていないとどうも具合が悪いなあと感じることがあります。逆に言うと、タバコを吸っている間は結構楽です。

 

 2に関しては、抗精神病薬は体に溜まるようで、それを体の外に排出するのにタバコが一役かっているのですね。

 

 どちらも、勉強するまでは全く知らなかったのですが、多くの患者さんは本能的、感覚的にそれらに気づいているのだと私は思います。

 

 それにしても、最近のタバコ増税はお財布にこたえますね。統合失調症になると、仕事を得るのにも一苦労したりします。中には障害年金だけで暮らしているという患者さんも少なくないのではないでしょうか? 政治家のみなさんには、こういった点も踏まえて頂きたいというのが私の意見です。もちろん分煙環境は必要だと思いますが。

 

 また、働いている患者さんにはタバコ休憩も必要だと思います。同僚のみなさん、どうか患者さんがマメにタバコ休憩するのには、こういった背景や理由があるのだということを理解していただきたいと思います。私の前の職場には、喫煙者が私しかいなくて、周りから白い眼で見られていました。そういった事が無くなっていくと良いですね。

広島市の人口よりも多い患者数?!

 統合失調症は、およそ100人に1人がかかる病気ということで、決して珍しい病気ではありません。日本の人口はおよそ1億2700万人だそうですから、日本全国に約127万人いる計算になります。広島市の人口が大体120万人ですから、統合失調症患者は広島市まるごと一個分以上の人がかかっていることになりますよね。

 

 これは、ぜんそく患者と同じ程度の数でもあるそうです。ひょっとしたら、自分の周りにも統合失調症の人を知っているという読者の方がいても不思議ではないですね(病気を隠している統合失調症患者も少なくはないですが…)。

 

 私の所属していた中学校の一学年の人数が確か250人ほどでした。さっき言った割合が正しければ、統合失調症患者は2.5人(2人ないし3人)ということになります。そのうち一人が私で、もう一人が私の友人です。もしかしたら、さらにもう一人いてもおかしくないですね。

 

同じ病気をもつ仲間とはありがたいもので、お互いの症状や服薬状況などを相談しあったりすることができます。私は、この薬は副作用が少ないとか、太るとか、飲むと死にたくなるとか、飲むとインポテンツになるとか、貴重な情報を得ることができました。患者の皆さんも、一人で悩むよりも、相談の出来る仲間を見つけられるよう、少しだけ頑張ってみてはいかがでしょうか?また、自分は同じ病気ではないという周りの方も、是非患者さんの良い聞き手になってもらえると、本人はとても助かると思います。実際私もそうでしたから。ポイントは、批判するのではなく、じっくりと共感するように聴くこと(傾聴といいます)です。

 

はじめに

 はじめまして。A.K.projectと申します。私は統合失調症患者で、今なお療養中の身です。症状としては幻聴や妄想があります。といっても、今は病院の先生やお薬のおかげで、日々元気に暮らしております。

 

 私は14歳ぐらいの時から神経・メンタル系の病気(自律神経失調症)にかかり、その後、電車内でのパニック障害強迫神経症(克服しました!後でその方法をお伝えします)を経て、26歳で統合失調症と診断されました。現在35歳。今年(2018年10月現在)で統合失調症との診断から10年目の節目ということで、統合失調症患者の方はもちろんのこと、そのご家族や雇い主の方、一般の方に、もっとこの病気の事に対する理解を深めていただき、世の中からこの病気への偏見をなくすために自分が出来ることはないか? と考えるようになりました。自分に出来そうなことの一つとして、ブログを立ち上げるという行動に移そうと思いました。

 

 話は変わりますが、統合失調症というと、何か怖い病気である!とか、患者は気持ち悪い人だ!などといった偏見が強い、という現実が実際にはあると私は感じています。また、統合失調症にかかっているにも関わらず、あえて通院をしないという人も少なからずいます。

 

でも、それっておかしいと思いませんか? 体だって心臓病や脳の病気、がんのように重い病気にかかることがあります。心だってそうです。それなのに体の病気の場合は、ほぼ偏見なく病院に行くのが誰しも当たり前のことなのに、心の病気の場合は、病院に行くことすらどこか気恥ずかしいことだ、と考える人も少なくありません(実際私の家庭内にもそんな人がいます。悲しいことです)。

 

 私はある会社で、障害者枠で病気をオープンにして働いた経験があります。しかし、現実はとてもとても厳しいものでした。もちろん中には理解してくれる方もいました。ですが、私の皮膚感覚から言えば、8~9割の人は程度の差はあれども偏見を持っていたように感じます。具体的に言えば、挨拶しても返事をしてくれない、あの人には大事な仕事は任せられないと陰で言われる、必要以上に距離を置かれる、内履きにウンコを入れられる、などといったことです。ウンコの件はともかく(苦笑)、結構そういった点に共感してくれる統合失調症患者さんで働いている方、少なくないのではないでしょうか?

 

 さてさて。

 

 こういった経緯もあり、昨年(2017年)わたしはその会社を辞職しました。当時は悔しい思いもありました。けれど、今ではむしろ辞めて良かったと、スッキリした思いでいます。

 

 当ブログでは、私のつたない体験(つたないけれども、お医者さんではなく患者としての実体験。患者だからこそ理解できることもあると思うのです)をもとに、統合失調症を多くの方に理解していただき、日本社会からこの病気への偏見を無くすことを第一目的としたいと思います!そのために私自身もより勉強していかなければ!と、身が引き締まる思いです。

 

 また、それだけでは面白いブログにならないと思いますので、大好きな読書からその書評、ファッションバイヤーのMBさんのおかげで最近ハマっているファッション、その他雑談などなど、出来る限り継続してアップしていきたいと考えております。

 

 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。これからもどうぞ引き続き、気楽に読んでいってもらえればと思います。私も出来るだけ気楽に書いていきたいと思います(笑)

 

 また、ブログ内の表現に、数々至らない点もあるかと思いますが、そういった場合、皆さまのご教示をお願いいたします。書き直しもマメに行っていく予定です。

 

                                                                                   2018.10.1    A.K.project